DTMを始める中でマイクは必要になる人と不要な人と分かれると思います。
「自分は歌わないからいらない」「楽器の録音をしないからいらない」などで用意をしない方も多いのではないでしょうか。ですが、それでもマイクはあった方がより良い音楽を作る手助けになります。
今回はその理由なども踏まえてマイクについて紹介していきます。
まずはマイクの必要性から見ていきます。それではLet’s Ra Go!!
マイクがあるとよい理由
【結論】歌いながらメロディーを作ることで「歌」らしいメロディーになる
初心者の方でもわかっている事だとは思いますが、あえてこの結論にさせて頂きました。それでは「歌いながら」というところに視点を置いて、マイクがあると良い理由を色々な角度から見ていきましょう。
ねこ音はいつもブツブツいいながら歌って作ってて不気味ニャ!
不気味とか言うなよ!
息継ぎの場所が体感的にわかる
鍵盤だけでメロディーを作っていくと「これはどこで息継ぎをするの?」というメロディーになってしまいがちです。特に初心者の方にこの傾向が多くなります。
言うまでもないですが「歌は人間が歌う」ものでそこには当然息継ぎが必要になります。鍵盤でメロディー作っていると息継ぎはいらない為、どんどんメロディーを繋げていってしまいます。
こうなってしまうと、出来た時に「歌えない」となってしまう事態に陥ります。
歌う事が難しすぎる or 歌えないメロディーライン
売られている音楽を聴いていると複雑なメロディーに聴こえる曲も多くあると思います。ですが、意外と同じ♪が連続していたり、横になめらかにつながっていたりします。
みなさんが思っているよりも、狭い範囲で動いている事が多いのです。色々な理由がありますがこの記事では「歌う事」という視点で説明します。
①音が動きすぎ
実際に歌いながら作っていくとわかると思いますが、めちゃくちゃに音が動きまくるメロディーラインは作らないと思います。(あえてそれを狙う場合は別です)
個人差はありますが、あまりにも複雑に動き過ぎると音程を取るのが難しくなりすぎて歌えないという現象が起きる事があります。
※歌いにくい、歌えないというのは歌詞によっても変わってくるので一概には言えません。
動き過ぎると覚えにくくもなるニャ!
そうだね、一度聴いたらおぼられるメロディーが良いってよく言われるよ!まぁそういうメロディーを作るのが難しいんだけどね!
②音が飛びすぎ
サビ前などの部分的にアクセントとして音を飛ばすという方法はよく使われます。部分的に一部であれば人は覚えて歌う事ができます。
ですが、「音の飛び」があまりにも多いと音程を取るのが難しくなってきます。ねこ音の感覚での話なので「そうじゃないだろ」という方もいるかもしれませんが、ほとんど方は「絶対音感」は無く、「相対音感」で各音を判断していきます。
あまりにも音が飛ぶことが連続すると相対音感が追い付かずに音程を外しやすくなります。
☆音が飛ぶとは?
これも感覚や基準でどのくらいで飛ぶというかはまちまちですが、大体言われるのが「6度」や「8度(オクターブ」は上に飛ばすなどと表現したりします。
6度=「ド」から「ラ」へ、8度=オクターブなので「ド」から一つ上の「ド」のような事です。
☆絶対音感と相対音感
「絶対音感」は比較対象がない状態でいきなり鍵盤で音を出されても、何の音かわかる能力の事です。対して、「相対音感」は先にある音を聴いておいて、それを基準にして次の音が分かる能力です。
※絶対音感を持っている方に「バンッ」と机をたたいて「今のなんの音?」などと聞く方がいますが、机をたたいた音はあくまで机をたたいた音です。そういう事ではないので注意してください。
③音域を大幅にオーバーする
鍵盤だけでメロディーを作っていくとありがちなのが「歌える音域を遥かにオーバーする」という事です。鍵盤だと低域から高域までどこまでも出てしまいます。ですが、人が安定して歌える音域は平均して1オクターブ半程度とそこまで広くはありません。
※平均なので個人差が大きいです。
ねこ音は昔5オクターブくらいの曲を作ってたニャ!マライヤキャリーかニャ!
懐かしい思い出だね、マライヤキャリーは7オクターブの音域で有名だよね!
まとめ
- 音が動きすぎ
- 音が飛びすぎ
- 音域を大幅にオーバーする
実際に歌いながら作ることによって①~③を避ける事ができます。出来上がった時に「良いメロディーだ!」なんて思っても、実際に歌えなければボツになってしまうので気を付けましょう。
BGMを作る時は各楽器の音域を気にする必要があります。
シンセメロよりもイメージが出やすい
これは人によるとは思いますが、シンセサイザーなどで作ったメロディーだとどうしても安っぽく聴こえてしまう事があります。
この現象にハマってしまうと、どんどんと音を詰め込んでしまいボーカルを入れた時に「ボーカルの邪魔」をしてしまう事になってしまいます。
なぜシンセメロだと安っぽく聴こえるのか?
倍音が関係しています。
倍音というのは、色々な音には「元になる音=基音」というのがあります。そこに2倍、3倍などの周波数=倍音が足されて色々な音と判別できるようになります。
シンセメロはこの倍音が限られた周波数でしか出ていない為、安っぽく聴こえます。対して「人の声」には低域から高域まで広く倍音が入っている為、トータルで聴いた時に「安っぽさ」や「スカスカ感」がなくなるのです。
ボーカルが入ると一気にクオリティーが上がるニャ!
【余談】洋楽は日本の曲よりも楽器数が少ないことが多い。
これは母音と子音が関係しています。日本語の母音は「あ・い・う・え・お」の5個だけに対して英語は26個あります。子音については英語22個、日本語16個と言われています。
「言われています」という表現を使う理由は、人によって見解が違う為です。いずれにしても日本語よりも「母音・子音」が多いため、楽器数が少なくても「人の声=ボーカル」が隙間を埋めてくれるのです。
マイクがあると良い理由~まとめ~
ここまで説明をしてきたように、マイクはなくてもDTMを始める事ができます。しかし、あった方がより歌らしい音楽を作ることができます。
次に環境によってあった方がいい理由を説明していきます。
夜でも制作ができる
夜になると近所迷惑などを考えてあまり大きな音を出すことができない方が多いのではないでしょうか。夜はヘッドホンで制作を進める方も多いと思いますが、そうなると歌いながら作るという事が難しくなります。
ヘッドホンで耳をふさがれて、DAWに打ち込んだコードなどを聴きながら歌っても聞こえにくいです。
そういう時にマイクを設置しておけば、ヘッドホンにも自分の声が返ってくるので夜でも小さめな声で歌って作っていく事ができます。
マイクを置いてくれないと、ご飯が欲しい時に鳴いても無視されるから困るニャ!
あっ、ごめんなさい・・・
集合住宅でも遠慮なく制作ができる
集合住宅にお住まいの方も多いのではないでしょうか。そういう方にもマイクを使う事はオススメします。上に書いた夜でも制作ができるという理由と同じになります。
鉄筋コンクリ―トの建物であれば遮音性がある程度あるのでいいですが、木造となると隣の音が気になったりします。最悪トラブルにもなるので、ヘッドホンで制作をすることになります。
その時もマイクを設置しておけば便利です。
マイクの種類
次にマイクの種類から見てどのようなマイクを購入すればよいのかを紹介します。
マイクについてはこちらの記事にも書いていますのでご覧ください!
結論、用途による
本格的にボーカルを録音したいのであれば「コンデンサーマイク」という種類がおすすめです。高級マイクはコンデンサーマイクという種類が多いことから音質もよく、細かい音までしっかりと録音することができます。
そして少し離れた所に置いておいても音を拾ってくれるので、ヘッドホンをしながら制作をする時にも設置しておくと、まわりの音も聞こえます。
とりあえず、制作の時に歌いながら作れればいい
とりあえず「マイクならなんでもいい」という事であれば、家電量販店などに売っているカラオケ用マイクなどでも十分です。ものによっては数千円程度で購入できます。
家電量販店で売られているマイクを購入する時は「音質については期待しない」事です。あくまで、カラオケ用の安価なマイクなので「音は拾ってくれます」程度の物だと思ってください。
※ちなみにねこ音も最初は1,000円くらいの安っぽい、メーカーも分からないマイクでした(;^_^A
とりあえず安いマイクを使って、お金が溜まったらちゃんとしたマイクを買うのでもいいかもニャ!
そうだね、最初は色々とお金がかかるからなくてもできるマイクは後でもいいかもね!
ダイナミックマイク
扱いも簡単で、ファンタム電源というものもいらないので購入してオーディオインターフェイスなどに繋げばすぐに使えます。有名なのがSHURE SM58やSM58 Bata、SM57は聞いたことはあるのではないでしょうか。
それぞれ型番が違うのは音質の特徴が違います。
- SM58=低域もしっかり拾うがこもりやすい
- SM58 Bata=SM58よりも高域も拾ってくれるが値段が上がる
- SM57=高域をしっかり拾ってくれるが低域は抑えめ
こんな感じで全てのマイクには特徴があるのでご自身の声質に合ったマイクを使うのがよいでしょう。後でEQで調整すればいいやということでもいいですが、それを前提にするのはあまりオススメしません。
機材の段階で合わせられるのであれば合わせましょう。
コンデンサーマイク
基本的に購入時の金額は数万円単位になります。そしてファンタム電源が必要、湿気に弱いなど色々と面倒な種類のマイクです。
ですが、その分音質はダイナミックマイクよりも遥かに良いです。細かな音までしっかりと拾ってくれます。配信をされる方でカメラにマイクを映り込ませたくない方はガンマイクを使うと良いでしょう。
ガンマイクもコンデンサーマイクになります。
【ガンマイク】離れた所の収音に優れている!
まとめ
今回はDTMを始める手順の中でなくてもいい「マイク」について紹介をしました。
マイクはなくてもいいですが、あったほうがより音楽制作の幅が広がるそんな機材の一つです。マイクを購入するとなるとスタンドが必要になります。他にもケーブルやポップガードなどマイク以外にも必要な予算もあるのでその辺りも考えて導入する必要があります。
最初はなくてもDTMを楽しむことができるので、あとからの購入でも良いでしょう。