シリーズ化をしてDTMを始める手順を紹介していますが、今回は第4回という事で、音を聴くためのスピーカーについて紹介します☆
スピーカーは制作をする時は正直なんでもいいですが、音楽制作で必ずある【MIX作業】ではかなり重要になってきます!モニター用、リスニング用などがあるのでそれぞれの用途に合ったものを使わないと出来上がりがかなり変わってきてしまいます。
- 第1回 パソコンとシーケンスソフト
- 第2回 オーディオインターフェイス
- 第3回 MIDIキーボード
それでは始めましょう☆
安価な物と高価な物
これからDTM始めようと思っている方や、始めたばかりの方の中にはそのスピーカーの性能と同時に値段を見ているのではないでしょうか?
この値段の違いは一体なんなのかまずは見ていきましょう☆
音質の違い
一番分かりやすいのが【音質】です。この音質という言葉、音響の勉強や音楽の勉強をしてきた方ならなんとなくイメージすると思いますが、何を基準に音質が良い、悪いを決めているだと思いますか?
まずはまえがきから
音響学的にも色々あるのですが、ねこ音は音響学を学んだわけではないので実際に音楽家として生きてきた中で身に着けてきた感覚などの視点から紹介していきます。【音】は目に見えないし、その人の耳や感覚でとらえ方が変わるので「違うだろ!!」という方もいるかもしれませんが、お許しください☆
音質が良いという定義
音質が良いという定義を確認してみましょう!みなさんは音楽を聴いた時に音質がいいと感じるのは次の時ではないでしょうか?
- ノイズがない
- 音がクリアに聴こえる
- 実際に演奏している感じをイメージできるように聴こえる
- ギターやドラム、ピアノなど生楽器が原音のように聴こえる
- 低域から高域までしっかりと出ている
大きな括りにはなりますが、この5つあたりではないでしょうか?ひとつづつ見ていきます!
音がいいって人によって少し違うから難しいニャ(=^・^=)
ノイズがない
これは当然ですね!ノイズというと、ハムノイズやヒスノイズ、クリックノイズ、ブレスノイズ、リッップノイズ色々なノイズがありますが、音楽を聴いていて気になるのが【ハムノイズ】【ヒスノイズ】の二つだと思います!
ハムノイズ
電気ノイズなんて言い方もします。「ブーン」という低いタイプのノイズです。ギターアンプのボリュームを上げるとこの音がしている事があります。
ヒスノイズ
カセットテープやアナログ機器で発生する「サー」「シュー」などの高域が中心のノイズです。ホワイトノイズとまとめて言われることもありますが、少しだけ違います。
明確な定義をされているわけではありませんが、次の通りです。
聴いた感じはヒスノイズに近く「サー」という音に聴こえます。ヒスノイズとの違いは高域に限らず低域も含まれているという事です。
主に高域に偏ったのノイズとされています。「高域に偏った」という言い方の通り、全く低域がないわけではないですが、人の耳は低域に鈍感なので結果的に高域が目立っているという感覚です。
話を戻します。高価なスピーカーはこのノイズの発生を抑える回路設計だったり、ノイズを逃がす処理がしてあります。興味があれば100円ショップのスピーカーで音量を上げてみてください。このノイズがするはずです。
そして、ある程度金額がするスピーカーからは音量を上げてもこのノイズはしません。メジャーなメーカーのコンポのスピーカーもノイズはしないはずです。
このノイズは音楽が流れても一定で鳴ってしまうため音質が悪いと判断される一つの基準になります。
音がクリアに聴こえる
これは体験すると本当によくわかります。秋葉原や音響に強い家電量販店で試し聴きをしてみてください。安価な物と高価な物が明らかな違いに気づくと思います。
これはなぜかというと、「各周波数をしっかりと分離して音楽としてアウトしてくれる」のです。
どういうこと??
となるかもしれませんね。音が分離というのは聴いた時の感覚の話になりますが、ベース、キックなどの低域楽器はしっかりと低域を、ギターやピアノ、ボーカルなどの中域が重要な楽器はしっかりと中域を。
そして、ベルや高域のバイオリン、ピッコロなどの高域担当との楽器はしっかりと高域を。これらがそれぞれいるべき所にいてくれるのです。これが結果的に「音がクリアに聴こえる」という事に繋がります☆
安価なものだと、先に説明をしたノイズが各帯域で発生してしまいそれがめちゃめちゃに混ざります。そうなると各楽器がいるべき帯域を超えて混ざりこんでしまい、濁ったように聞こえてくるわけです!
実際に演奏している感じをイメージできる
例えば、ピアノソロの音楽があったとしましょう。そのピアノの音から低域と高域が出ていなかったらきっと「なんか作り物のピアノの音色なのかな」と感じてしまい、実際に人が演奏をしている感じはしないでしょう。
再生できる帯域に制限がある。しかも重要な帯域をカットしている。悪い物だと100Hz~15Khzなんて物もある
再生できる帯域は広い。大体は20Hz~20KHzとなっている事が多い。
人の可聴範囲(聞くことができる範囲)は20Hz~20KHzです。その範囲をカバーしているのは高価なスピーカーとなります。
【余談】20KHzまで聴こえるのは赤ちゃんくらい
可聴範囲の最大20KHzまで聞こえているのは、生まれたばかりの赤ちゃんくらいです。年を重ねるにつれて高域から聞こえなくなってきます。
これは生きていく過程で全部の音が聞こえてしまうと生活に支障が出るため、脳がブロックしているとも言われているそうです!人の脳はよくできていますね、耳の感度が落ちるのもあるとは思いますが。
コンサート会場で聴く音はまんべんなく周波数が聞こえてきます、それは実際に演奏をしている感じがイメージできる理由にもなります。
周波数に関しては任せろニャ(=^・^=)
耳は人間の赤ちゃんよりもいいはずニャ!
たまに膝に乗ってきて邪魔しているのかと思ったけど
聴いていたのね☆意見もよろしく~!
生楽器が原音のように聴こえる
これも周波数の問題になってくるのですが、聴こえる周波数を制限されている安価なスピーカーでは原音に近いとはお世辞にも言い難い物があります。
人はスピーカーで音を聴いた時にその音が何の音なのかをある程度判断できると思います。それも周波数が関係していて、「基音」に対してどういった「倍音」が付加されているかでその楽器の音を判別しています。
このことからも安価なスピーカーで聴こえる範囲を制限されてしまっては、「あれ?なんか物足りない」となってしまうのもわかって頂けるのではないでしょうか☆
低域から高域までしっかり聴こえる
なんども書いているので音質の総まとめのようになりますが、人が聞こえる範囲の周波数をしっかりカバーしてくれている事が、【音質が良い】と判断できる条件の一つです☆
そこにプラスしてノイズがないなどの条件が入り、音質が良いとなるわけです!
リスニング用とモニター用
スピーカーにはリスニング用とモニター用の二種類があります。この二つの違いを簡単に書くと次の通りです。
出来上がった音楽に迫力を出したり、繊細に聴こえるようにしたりと周波数などを調整してあるスピーカー=チューニングをしてあるとも言います。
周波数などの調整はしてあるものの、すべての帯域がフラットに聴こえるように調整されているスピーカー=これで音楽を聴くと物足りなく感じる事も。
リスニング用 スピーカー
ソニー ポータブルスピーカー SRS-XB13LCこういうものや、
BOSE ボーズ ブルートゥーススピーカーこんな感じのものは全てリスニング用としてチューニングがされています。体感ですがリスニング用は全体的に低音が強くなるように設定されているように感じます。
モニター用 スピーカー
【ねこ音愛用】GENELEC 8020DPM ダークグレー (1ペア)こういうものや、
FOSTEX フォステクス アクティブスピーカー ホワイト PM0.4CWJPNこんな感じのものがモニター用です♪
リスニング用で音楽制作はダメ?
最初に書いたように、「制作をする」という段階では全く問題ありません。なければコンポなどのスピーカーでも制作をすることができます。細かい事は気にせずとりあえずDTMをお金をかけずに始めてみたいという方であれば、今お使いのスピーカーを使ってもいいでしょう☆
制作の段階で音を作っていくという方であればリスニング用よりもモニター用を購入した方が正確に音作りをしていく事ができます!理由は後ほど説明します☆
MIXをする時はリスニング用は避けた方がいい
いつも聴きなれていてフラットな音がイメージできるのであれば、リスニング用でもいいですがそれでもMIXにはモニター用の使用をオススメします☆
MIXは各音を混ぜ合わせていく工程ですが、この時に変にチューニングをされているリスニング用を使ってしまうと、「低音が強いな、下げよう」などの考えてしまいます。それをやるとどうなるか?
MIXをした人は良い感じに聴こえていますが、他のチューニングをされているリスニング用スピーカーで聴いた時に、やけに低音がなくなっていたりという事が起きてしまいます。
じゃあ、低域の少ないスピーカーでやってしまうと
低音がうるさくなりすぎちゃうニャ(=^・^=)
チューニングは等ラウドネス曲線に基づいて決められている事もある
等ラウドネス曲線というものを見たことがありますか?これは周波数による聞こえ方の違いを表したグラフになります。低域になるほど人は鈍感で、音量を上げないと他の周波数と同じ音量では聴こえないのです。
ねこ音はこれを参考にしてMIXしているのかニャ?
気にはしているけど、なにがなんでもこの通りというわけではなく
しっかりと出来上がりを聴いて判断しているよ☆
それを計算して低域を上げ気味にチューニングされている事もあります。体験するとわかりますが、モニター用で低域が少ないのにライブなどで流すと、低音がしっかり出ているなんてこともあります☆
ナオ~(=^・^=)
今回はスピーカーについて紹介しました!オススメのスピーカーは別記事に用意しておきます☆
一言にスピーカーと言っても色々な種類があります、ご自身の用途に合ったものを選んで楽しい音楽LIFEを送ってください☆
高価なものは確かに音質面でもいいですし、制作がやり易くなります。ですが、最後はご自身に合ったものを選びたいですね!
予算を抑えて安価なスピーカーを選んでもいいですが、当たり外れが大きくなる印象があります。ある程度高価なスピーカーを選んでおけばそこまで大外れという事は避ける事もできます!