ギターやベース、ボーカルに適している「CLA-2A」を紹介します。
オプト式コンプ「CLA-2A」
ボーカルのダイナミクス調整で頻繁に使用される「オプト式」のコンプレッサーです。僕もボーカルはもちろん、スローなギターフレーズやベースにも使用することがあります。
真空管特有の倍音付加がされます。これは良い悪いではなく、その曲に欲しい音になるかで判断をしていくのがいいです。
見た目はシンプルですが、現役でプロも使っている為持っておくととても重宝します。
使い方
至ってシンプルです。「PEAK REDUCTION」でコンプかけると音量が下がるので、「GAIN」で下がった分を調整する。簡単に言うとそれだけです。
「PEAK REDUCTION」を右に回していくと、深くコンプがかかります。
「GAIN」を使って、コンプを掛けたことによって下がった音量を元に戻していきます。
音量調整のコツ
「バイパススイッチ」を使って、元の音量と聞き比べをしながら、同じ音量感にするのがコツです。
CUBASEの場合は、赤い四角で囲ってあるところがバイパススイッチです。
これをON/OFFしながら調整をしていきます。
PEAK REDUCTION 目安
CLA-2Aはアタックタイム(聴き始めるまでの時間)とリリースタイム(コンプが戻るまでの時間)がかなり遅く固定で設定されています。
遅いと困るのでは?と感じるかもしれませんが、そんなことはありません。
この遅さがあることによって、よりナチュラルにコンプの効果を感じる事ができます。
その逆に、あまりに強くかけすぎると常にコンプがかかったままになってしまいます。
ボーカルの音量を自然に揃えたい時には、「-2~-3程度」になるように調整をしておくと綺麗に仕上がってきます。
メーター用途選択
◆GR
デフォルトでは「リダクション値」を示す所になっています。コンプの掛かり具合を見る時は「GR(ゲイン リダクション)」と書かれている所にしてください。
◆INPUT
コンプレッサーに入ってくる音量を確認できます。あまり大きすぎると音割れを起こすので、「0」付近を目安に調整しておくのがいいです。
◆OUTPUT
CLA-2Aから出ていく音量です。INPUTを「0」に合わせている場合はOUTPUTも「0」になるように目安を決めてやっていくとよい結果になりやすくなります。
実際にはコンプがかかっているので、DAW側のメーターや、耳でも確認しながら調整をしてください。
【使ってみての感想】
何年も使っていますが、よりCLA-2Aらしい真空管の音が欲しい場合は、「-2~-3」ではなく、思い切り強くかけるといいです。
実機に比べると、プラグインの効きがちょっと弱いかなとも感じます。
圧縮比率
レシオのつまみがないので、圧縮比率が調整できないのかと思うかもしれません。
2種類の選択ができます。
《COMPRESS》=3:1 《LIMIT》=100:1 となります。
※LIMITと書いてありますが、リミッターではないので気をつけてください。
HiFREQ
低域に対する感度を調整するツマミです。
低域への感度が、「左(HiFREQ)側に回すと弱くなり、右(FLAT)側に回すと全体域が平均」になります。
使用用途の例として、「ボーカルに低域が含まれ過ぎている場合」にHiFREQ側へ回して低域への感度を下げたりします。
感度を弱くすると、圧縮される量も少なくなり音量変化が起きます。GAINを使って調整をしていくといいです。
ANALOG
アナログ機材のノイズをシミュレートするスイッチです。
特別な演出や、目的がない場合は通常時は「OFF」にしておくのがいいです。
50Hzまたは60Hzを入れておくと常にノイズが発生する為、イントロ前の無音部分や、アウトロのフェードアウトなどの時にもノイズが残ってしまいます。
「GATEを使う方法も」
なにかの目的でANALOGを使う場合、無音部分ではいらないので「GATE」をマスタートラックや該当トラック最後に差しておく方法もあります。
パラメータ操作の順番
人それぞれですが、参考までに僕が普段やっている順番を書いておきます。
- PEAK REDUCTIONを-2~-3前後に合わせる
- GAINで元の音量感へ戻していく
- 低域が気になった場合はHiFREQを調整する
- ③を行った場合は再度GAIN調整をする
- 大体はCOMPRESS側にしていますが、一応変えて見る
- ⑤でLIMIT側の方が良く感じたら変更して、①からやり直す
こんな感じで使う事が多いです。
最後の⑥は最初にやればいいと思うかもしれませんので、お好みで最初にやってもいいと思います。
入っているバンドル
WAVES CLA-2Aが入っているバンドルは「WAVES Horizon ホライズン」又は「WAVES CLA Classic Compressors」に入っています。
単品での購入もできますが、4,400円前後するので、「WAVES CLA Classic Compressors」を購入するのがオススメです。
9,900円で他にも、CLA-3A、CLA-76 blueとblackの全4種類がバンドルされています。
「WAVES Horizon ホライズン」は48,000円前後するので予算があれば、こちらを購入しておく方が、後で色々必要になったときに困ることがなくなります。