今回はMXL社の3機種をご紹介します。
もしかしたらMXL社というメーカーは聞いたことがない方も多いかもしれません。しかし、MXL社のコンデンサーマイクは低域から高域までバランスがとれたリーズナブルで高性能なコンデンサーマイクを出しています。
紹介する3機種共通 フラットに近い周波数特性
MXL社からは何種類かコンデンサーマイクが出されていますが、その中でも 「V67G-HE」 は全体的にフラットに近い周波数特性しています。
そのため、非常にバランスの取れたサウンドが特徴です。EQを触れる方であれば、 「V67G-HE」 で録音した後に調整をすれば十分に使っていけるマイクです。
「V67G-HE」 を購入するとスタンド以外揃う
コンデンサーマイクを購入した時に必要になるのが、「ポップガード」というマイクの前にある敷居です。 「V67G-HE」 は購入時点でポップガードが付属しているので別途で購入する必要がないはとても助かります。
ケースも付いている
コンデンサーマイクは取り扱いや保存に少し気を使う必要がありますが、「V67G-HE」 には専用ケースも付属してくるので保存のラクです!
湿気に弱いコンデンサーマイクですが、専用ケースにホームセンターで売っている「シリカゲル」という乾燥剤を入れておけば湿気を避ける事ができるのでオススメです☆
ショックマウントも付属
もちろん、感度のいいコンデンサーマイクを使う時の必需品、ショックマウントもしっかりと付属。マイク以外に購入費用がいらないというのは非常にたすかります。
難点もいくつか・・・
ショックマウントや、ポップガード、ケースもついて音はナチュラルというというところは非常にいいメリットです!
ですが、少し気がかりなデメリット、難点が見受けられます。これはあくまで私が感じることなのでご参考までに。
周波数特性(拾える範囲)
上の説明にも周波数特性という事がでましたが、こちらでいうのは低域から高域まで拾える範囲の周波数特性を言います。
人の可聴範囲が「20Hz~20kHz」というのは、ご存じかもしれません。その可聴範囲を低域側で少しカバーできていないです。
それに対して 「V67G-HE」 は【30Hz~20kHz】と低域の10Hz分だけ少なくなっています。これは重要なのかと考えると「そこまで必要ではない」という私は感じます。
その理由は下の通りです!
声質によってはなくても困らない?(特に女性の場合)
ボーカルなどでよく「Low Cut」というものを行います。これは低域をカット又は減らすことによって声をクリアにし、聴きやすくするためです。
この20Hz~80Hz辺りは、音楽で言うとベースやドラムのキックにも多く含まれている帯域の為MIXの際には邪魔な帯域という事になります。
女性の場合は70Hzくらいからバッサリカットしてしまうこともあるので、なくても困らないというのはそういう理由からです。
最大入力許容音圧が少し低め
どのくらいの音圧まで音割れをせずに入力できるかの数値ですが130dBと少し低めになっています。
リーズナブルなコンデンサーマイク②で紹介したAT2020でも144dBあるので、その差は14dB。14dBがどのくらいか分かりにくいと思いますので目安として。(AT2020については一番下にリンクを付けておきます)
これだけ差があるとAT2020では割れずに録音ができた音量でも V67G-HE では割れてしまうという事が起きやすくなります。その分大きい声量で歌う時などは少し離れて、録音するなどの対処が必要になる可能性があります。
周波数特性と最大入力音圧が気になる方は MXL2003A
正直なところ、周波数特性はまぁ見逃すことができても、最大入力音圧は気になるところです。ナレーション録音が中心であれば問題は起きないと思います。
気になる方は MXL2003A を選択するのがいいかもしれません。
V67G-HE の弱点を全てクリア
先ほど書いた V67G-HE の弱点をクリアしています。
周波数特性 | 20Hz~20kHz |
S/N比 | 83dB以上 |
最大入力許容音圧 | 152dB |
上記の様に録音する時には非常に有利になります。
別のメーカーと比較してみるとAT2020よりも優れている事になります。あとは音質上の周波数特性でどちらが好みかや使う方の声質などによって決めていくと良いでしょう。
高域が多いキンキンしやすい声質ならMXLがおすすめ
コンデンサーマイクには高域を少し多めにでるような設計の物が多いですが、MXLは全体的にフラットなのでキンキンしやすい声質の方にはそれを抑える事ができるのでオススメです!
MXL2003A 購入時の注意点
MXL2003A の購入を考えた時に一つだけ注意点があります。
それは「 V67G-HE には付属していた、ポップガードとケースがない」という事です。なのでケースはポーチが付いているのでそれでもいいとは思いますが、ポップガードについては別で購入する必要がります。
ポップガードは安い物でも十分なので1,500円くらいを目安にプラスして予算を用意すると良いでしょう。
STEDMANのポップガードは少し高めですが、有名なメーカーなので本格的にやりたい方は購入するのもおすすめです。安い物はストッキングのような素材で息を打ち消すような仕組みです。
それに対して、STEDMANは金属でできていて息が下に抜けていくように作られています。
付属品はいらない、 V67G-HE の性能で十分ならMXL-V67G
「MXL-V67G」は「 V67G-HE 」よりも先に発売されている物でマイクホルダーとポーチしか付属品はありません。その代わりに V67G-HE よりもお値段は少しだけ安く購入することができます。
すでに付属品にあるものは持っているという方はこちらを選ぶのもいいと思います。性能は V67G-HE とあまり変わりません。周波数特性は多少の違いはありますがフラット気味なのは変わりはありません。
MXL-V67G は色が好みでないと・・・
MXL-V67G は好みによっては色が気に入らないという事もあります。緑のボディーにゴールドのヘッドと少しヴィンテージマイクのような印象を受けます。
色は気にしない、ヴィンテージ感が好きという方であればいいですが気になる方は悩みどころです。
楽器よりもボーカルよりの調整
フラット気味の周波数特性ですが、楽器よりもボーカルやナレーション向きのような音質になります。楽器には不向きというわけではなく、録音をした音自体が人の声に向いているという事ですのでEQ調整などでうまくやると問題はないでしょう。
まとめ
MXL社も他のメーカーと同じようにリーズナブル~ハイグレードと様々なマイクを販売しています。今回はリーズナブルで初心者の方も気軽に購入できる範囲でのご紹介でした。
今回紹介したMXL社のマイクをまとめると
- すぐに録音をしたい=V67G-HE
- 付属品はいらない=V67G
- 他の二つよりも安心して録音をしたい=2003A
こんな所になります。
MXL社のマイクを購入する時には参考にして頂けると幸いです。すぐに購入できるようにリンクを付けておきますのでそちらからでしたら簡単にご購入できます。