今回はマスタリングの時に行う技術を一つ紹介します!この処理をやると音に広がりが出たり、音楽全体で不要な帯域の周波数を調整でき、スッキリと聞かせたり色々とできるようになります!
是非参考にしてみてください☆それではいきましょう!!
【結論】MS処理とは
LR(左右)の音とC(真ん中)の音を別々に調整する処理の事です。
MSとはMIDとSIDEの略です。MS処理をすることによって、LRとセンターの周波数やダイナミクスを個別に調整ができてより音楽のクオリティーを上げる事ができます!
LRとセンターの音の違い
それではそれぞれの音にはどういう違いがあるのか。音楽を聴いている方なら感覚でなんとなくわかると思いますが下の表に書いておきます!
- ボーカル
- ベース
- キック
- スネア(少しずれていますが)
- ハモリ(曲によってはLR)
この辺りが大体の曲ではセンターにいます。主役のボーカルや低音を支えて安定させるベース、リズムのキモとなるキック。音楽で重要となるパートがセンターにいますね!
次にLRにはなにがいるか。
- ストリングス
- ブラス
- パーカッション
- ギター
- ピアノ(LRというよりも全体気味)
- SE、FX(効果音)
- LOOP(ものによる)
- シンセ
ざっくりこんな感じです。センターにある音と比べて高域パートが多いですよね!
これらをそれぞれマスタリングの段階で調整をすると変にモコモコしていたりというのも解消できますので身に着けておきたい技術です。
MS処理のコツ
MS処理はどうやってやったらいいのか。曲によってどんな感じにしたいかで変わってくるので一概には言えませんが次のように考えると結構うまくいきますよ!
- 低域のパートがLRに広がっていたら抑える
- 高域はLRのボリューム(周波数)を上げる
こんな感じでやっていくといいです。低域はしっかりとセンターで音楽を支えて、LRで高域を持ち上げて曲に彩りや華やかさを足していくそんな感じです!
やらない方がいい曲調
MS処理は基本的にやったほうがいい処理ですが曲調によってはやらない方がいい曲もあるように感じます。やらない方がいい曲調もあります。(個人的な意見なので参考までに)
【アコースティック楽曲】
ギターとボーカルだけの弾き語りのような楽曲にはやらない方がアコースティックらしさがでていいですよ!私の感覚なので、広がりを加えたい時や、SIDEに低音が広がってしまっている時はMS処理で綺麗にするのがいいと思いますけどね☆
MS処理はなにでやるの?
MS処理はセンターとSIDEを別々に調整をすることはなんとなくわかってもらえたかと思います。ではそのMS処理はどのようにやればいいのか、何を使えばいいのか。
それはプラグインを使ってやっていきます。MS処理ができるプラグインはかなりたくさんありますが、私がメインで使っているのはiZotope Bundles (Ozone9 Adv/ Neutron3 Adv/ Nectar3)です。
複数のソフトがバンドルされているのですが、コンプレッサーを同じ効果をそれぞれに与える事ができる【Ozone Dynamics】をよく使っています!
音圧を稼げない時にも有効
音楽を作っているとプロが作った音楽よりも音量が小さくなってしまうということは必ずあるはずです。昔から制作をしていますが、必ず初心者の方からよく聞く声です。それはなぜなのか。
色々と原因はあるのですが、今回はMS処理に関する事で書いておきます。コンプレッサーなどを音を整えていくと思いますが、最終的な2MIXで「センターがレベルギリギリまで上がってしまっている」「またはその逆でサイドが上がりきっている」という事が起きていると音圧を上げる事ができません。
マキシマイザーと簡単に音圧を上げる事ができるプラグインがありますが、マキシマイザーで上げ過ぎてしまうと欲しい音圧になる前に歪んでくることがあります。これはMIXが失敗していると考えてください。
話を戻しまして、MS処理でMIDとSIDEをしっかりと調整しておくと最終的な音源での音圧稼ぎもスムーズに行う事ができます!
MS処理をするとボーカルが引き立つ
どうしてもボーカルがオケに埋もれてしまう時もMS処理は重宝します。音の抜けをよくしてくれる高域の周波数を左右に広げる事によって、ボーカルが主にいる帯域がセンターに残ってくれます!
これは言葉で説明するよりも実際にやってもらった方が分かると思うので是非試してみてください!
ナオ~(=^・^=)
MIXをやり始めたばかりだと知らないかもしれないMS処理。
コツや感覚が必要にはなりますが、慣れてしまうとMS処理なしでは物足りなくなってきますよ!市販されている音源も聴いているとMS処理しているんだなぁ~とわかる音源がたくさんあります。
というかほとんどしているのではないでしょうか?こればかりは実際にMIXをした音源ではないので聴いた感覚になってしまいますが。
長くなると訳が分からなくなると思うので、MS処理についてはさらに書いてきます!